VBP的臨床推論

価値に基づいた診療(Values Based Practice: VBP)を学ぶ

御礼:第6回VBPワークショップのご報告

 去る9/23(土)、三重大学医学部附属病院にて第6回VBP実践ワークショップを開催いたしました。
 今回は三重大学医学部医学系研究科家庭医療学分野/地域医療学講座の皆様にご協力いただき開催させていただきました。日頃の診療から他職種連携を意識し実践されている参加者が多く、個性のあるリアルな多職種連携におけるディスセンサスを再現し深い議論が行うことができ、主催者一同大変うれしく思っております。

 医師・薬剤師・理学療法士社会福祉士など様々な職種の皆様にご参加いただき、下記の目標とコンテンツで開催いたしました。

 

ワークショップの目標

  1.  価値の多様性が重要であると認識する。
  2.  多職種での議論の重要性と難しさを認識する

 

コンテンツ

  • レクチャー「価値に基づく医療1」
  • 模擬多職種カンファレンス(前半)
  • レクチャー「価値に基づく医療2」
  • 模擬多職種カンファレンス(後半)

 

参加者の皆様のご感想

「普段とは違う役割を演じたため視野がひろがった。Valueという軸で、皆で学び考えることができ勉強になった。」

「リアリティーもあり各職種のシナリオもよくできた。シナリオで本気に入り込めた。」

「互いの価値の違いに気づくことが大事だと思いました。」

「価値を意識しながら他の職種や家族とディスカッションすることで自分自身の価値に気づくことができた。」

 

 お招きいただきました竹村洋典先生、後藤道子先生、若林英樹先生、誠にありがとうございました。

 なお、今回は一般募集を行っておりませんが、次回はオープン企画として11月18日(土)東大本郷キャンパス内での開催を予定しております。近日中に正式なご案内を出しますので、皆様の積極的なご応募をお待ちしております。

単行本でVBPが紹介されました!

今月南山堂より発売になりました「イナダ(研修医)も学べばブリ(指導医)になる:現場のプロと臨床推論のプロが教える診断能力アップ術」(編集:林寛之、大西弘高)の中で、VBPが紹介されました。

 

この単行本は研修医がよく遭遇する事例について、臨床家と臨床推論の研究者によるクロストークで深く検討していくという今までにない形式の内容になっています。本ブログでも紹介されました“治療・マネジメントも含めた臨床推論モデル:Three-Layer Cognitive Model”や“ICE-StAR”についても初学者向けにわかりやすく紹介されています。

 高齢者医療におけるVBP、精神医療におけるVBPについても紹介されているため、皆様のVBP学習教材としてぜひお役立て下さい。

イナダ(研修医)も学べばブリ(指導医)になる: 現場のプロと臨床推論のプロが教える診断能力アップ術
 

 

御礼:第5回VBPワークショップのご報告

去る7/22(土)に第5回VBP実践ワークショップを開催いたしました。

今回は、①模擬多職種カンファランスの事例を新たなものを使用し、②高齢者における意思決定に向けたSwiss Cheeseモデルを導入、③そして、何と言っても模擬患者さんに登場いただき、模擬家族カンファランスを実施した点でバージョンアップされました。

医師・薬剤師・看護師・理学療法士などバラエティーに富んだ職種の皆様にご参加いただき、下記の目標とコンテンツで開催しました。 

ワークショップの目標

  1. 価値の多様性を理解できる
  2. 患者の価値を引き出すスキル(ICE-StAR)の重要性を知る
  3. VBPにおける多職種での議論が有用であると知る

コンテンツ

レクチャー「価値に基づく医療の概要と10のプロセス」 

模擬多職種カンファレンス

レクチャー「ICE-StARとVBPにおける臨床推論」

模擬家族多職種カンファレンス with 模擬患者さん

振返り

FB pageでWSの様子をご覧いただけます。

 

参加者の皆様のご感想

「他職種模擬カンファレンスを体験でき、各職種の意見の違いを実感できた。」

「シナリオが作りこまれていて面白かった。実際に腹に抱えているのに言わなかったりしている現実に近かった。」

「多職種間のディスセンサスについて理解できた」

 

 

積極的なご参加、ご議論を頂くともにWSに高い評価も頂き主催者も大変嬉しく思っております。今回は新しい事例を用いて模擬多職種カンファレンス実施致しました。今回得られた改善点をもとにさらにバージョンアップしていきたいと思っております。次回は11月18日(土)東大本郷キャンパス内での開催を予定しておりますので、またこちらでご案内致します。

今後も、価値に基づく診療を皆様と一緒に学んでいければと思っております。