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VBP的臨床推論

価値に基づいた診療(Values Based Practice: VBP)を学ぶ

意思決定におけるパートナーシップ〜ディスセンサス〜

今回は、VBPの10プロセスの最後、「パートナーシップ」である。 ここでのキーワードは「ディスセンサス」に尽きる。一般に、会議などの議論の場では、そのテーマについての「コンセンサス」が得られることが主眼とされる。議論をかわす過程で、それぞれの考…

VBPはEBMのパートナー Part 3〜科学主導の原則〜

今回はVBPの10のプロセスのうち9つ目、科学主導の原則を概説する。 これは端的に言うと、「高度先進医療領域での意思決定においては、エビデンスと価値の双方を考えよ」というメッセージである。 科学技術の進歩により医療界は多くの恩恵を受けてきた。その…

EBMはVBPのパートナーPart2 〜軋む車輪の原則〜

今回は、VBPの10のプロセスの8つ目、軋む車輪の原則を解説する。これは前回の二本の足の原則と対(ペア)になる考え方である。 二本の足の原則は、「エビデンスを考えるときには、価値も同時に考えよ」という意味であったが、これに対して、軋む車輪の原則は…

EBMはVBPのパートナーPart1〜二本の足の原則〜

今回は、VBPの10のプロセスの7つ目、二本の足の原則についてご紹介する。 これは「サイエンスとVBP」というカテゴリーに分類される。二本の足の原則は、「エビデンスを考えるときには、価値も同時に考えよ」というメッセージである。すなわち、エビデンスと…

多職種チームワーク

前回までVBPにおける専門職同士の関係性に関わる2つの側面のうちの1つ目、当人の価値中心の医療を4回シリーズでご紹介した。今回は2つの側面の2点目、多職種チームワークを概説する。これはVBPの10のプロセスの6段階目に位置付けられている。 近年、多職種連…

当人中心の診療 part 3 〜「当人」の価値を紐解く〜

今回は、前回の価値の対立が生じた事例について、振り返っていくこととする。 まず、ここで「価値とは何か?」を再度、確認したい。以前の記事「価値とは何か」でもお伝えしたように、価値とは「各自が最も重要、大切だと思うもの、概念」を指す。そこで、こ…

当人中心の診療 part 2 〜価値の対立からディスセンサスへ〜

前回は概論を学びました。 今回と次回、事例を通じて「当人中心の診療」を考えていきます。 根本先生は診療所で勤務する卒後7年目の家庭医。 今日は、学会出張している同期の加地先生の代診で今日は土曜日午前の外来担当。さすがに土曜日の外来は朝から混雑…

当人中心の診療 Part 1

これまでは、VBPの10のプロセスのうち、4つの臨床スキルに焦点を当て学んだ。次のステップとして、専門職同士の関係性に関わる2つの側面が位置付けられ、これは当人中心の診療と多職種チームワークから成る。今回から4回に分けて、当人中心の診療についてご…

知識

VBPの4つの臨床スキルの3つ目は「知識」である。特に情報検索を通じて問題解決を図ることを指す。 中年男性の糖尿病患者の価値について知識を得るために、Pubmedでdiabetesとvaluesの2語で試しに文献検索してみる。37000件の文献にヒットし、ここから、年齢…

推論

4つの臨床スキルの2つ目である推論(reasoning)の方法論として、VBPでは事例検討が推奨されている。 事例検討はJonsen, A.R.とToulmin,Sとが「生命倫理に関する米国大統領府委員会」での経験をもとに考案し(1988年)、その後、臨床の場で利用できるように…

価値への気づき

VBPの4つの臨床スキルのうち、1つめは価値への気づき(awareness of values)である。これは、読んで字のごとく、「その人」の価値に気づくこと、そのものであるが、実は奥深い。「その人」は、もちろん患者であっても良いし、その家族でも良い、医療チーム…

VBPプロセスの10要素

今回は、VBPの実践手法を「VBPプロセスの10要素」として紹介したい。 VBPの手順は図のように概観することができ、「前提」、「プロセス」、「到達点」という3つの相に分けられる。VBPの前提とは、異なる立場の当事者が、それぞれの価値に対して敬意を持って…