VBP的臨床推論

価値に基づいた診療(Values Based Practice: VBP)を学ぶ

満員御礼:第2回 価値に基づく診療(Values-based practice)実践ワークショップ参加者募集終了のお知らせ

第2回 価値に基づく診療(Values-based practice)実践ワークショップは、お陰様を持ちまして、参加希望が定員に達しましたので、募集を終了させて頂きました。 多数のご応募誠にありがとうございました。 第3回ワークショップは平成29年3月2日〜3日の第9回…

EBMはVBPのパートナーPart1〜二本の足の原則〜

今回は、VBPの10のプロセスの7つ目、二本の足の原則についてご紹介する。 これは「サイエンスとVBP」というカテゴリーに分類される。二本の足の原則は、「エビデンスを考えるときには、価値も同時に考えよ」というメッセージである。すなわち、エビデンスと…

多職種チームワーク

前回までVBPにおける専門職同士の関係性に関わる2つの側面のうちの1つ目、当人の価値中心の医療を4回シリーズでご紹介した。今回は2つの側面の2点目、多職種チームワークを概説する。これはVBPの10のプロセスの6段階目に位置付けられている。 近年、多職種連…

当人中心の診療のpart4 〜完結編〜

これまで、当人中心の医療について、概論(part 1)、価値の対立が生じた事例(part 2)、その事例の考察(part 3)を論じできた。今回は総括として、この事例で「もしも、当人の価値中心の診療が実践されていたら」を考えてみたい。 根本医師の想い "今日の…

当人中心の診療 part 3 〜「当人」の価値を紐解く〜

今回は、前回の価値の対立が生じた事例について、振り返っていくこととする。 まず、ここで「価値とは何か?」を再度、確認したい。以前の記事「価値とは何か」でもお伝えしたように、価値とは「各自が最も重要、大切だと思うもの、概念」を指す。そこで、こ…

当人中心の診療 part 2 〜価値の対立からディスセンサスへ〜

前回は概論を学びました。 今回と次回、事例を通じて「当人中心の診療」を考えていきます。 根本先生は診療所で勤務する卒後7年目の家庭医。 今日は、学会出張している同期の加地先生の代診で今日は土曜日午前の外来担当。さすがに土曜日の外来は朝から混雑…

第2回 価値に基づく診療(Values-based practice)実践ワークショップ参加者募集のご案内

今回は、第2回 VBPワークショップのご案内でございます。 (「当人中心の医療 」続編を期待されていた皆様、恐れ入ります!) 日時 平成28年12月7日(水)18:00~21:00(17:30受付開始) 会場 東京大学医学部総合中央館(医学図書館)3F センター研究第1室(…

当人中心の診療 Part 1

これまでは、VBPの10のプロセスのうち、4つの臨床スキルに焦点を当て学んだ。次のステップとして、専門職同士の関係性に関わる2つの側面が位置付けられ、これは当人中心の診療と多職種チームワークから成る。今回から4回に分けて、当人中心の診療についてご…

第1回 VBP実践ワークショップの終了のご報告と御礼

本日、第1回 価値に基づく診療(Values-based practice)実践ワークショップが開催され、20名の皆様にご参加頂きました。 価値の気づきをグループディスカッションで体感 ICE-StARのスキルを模擬多職種カンファランスで活用 などを参加型コンテンツとしまし…

VBPの学習リソース

今回は、皆様がVBPをご自身で学ばれる資料の御紹介です。 1. 書籍. 価値に基づく診療. ご存知の通り、VBPのバイブル的な本です。 なかなか読み応えのある本ですが、読み方のおすすめとしては、 3章の「VBPの概念的枠組み」 末尾の付録A「VBPの概念と重要語句…

満員御礼:第1回 価値に基づく診療(Values-based practice)実践ワークショップ参加者募集終了のお知らせ

第1回 価値に基づく診療(Values-based practice)実践ワークショップは、お陰様を持ちまして、参加希望が定員に達しましたので、募集を終了させて頂きました。 多数のご応募誠にありがとうございました。 秋以降にも2回目のワークショップを計画しておりま…

どのようにして患者の価値を聴き出すのか?〜キラリと光るICE-StARの尋ね方〜

前回、前々回で、価値を引き出すスキルとしてICE-StARを事例をもとにご紹介した。 「では、どのようにしてICE-StARを聴き出すのか?」と疑問に思われた方も多いとだろう。そこで、今回は医療面接でのICE-StARの具体的な尋ね方をお示ししたい。 Ideas(考え)…

第1回 価値に基づく診療(Values-based practice)実践ワークショップ参加者募集します

日時 平成28年9月14日(水)13:30~16:30(13:00受付開始) 会場 東京大学医学部総合中央館(医学図書館)3F 333会議室 http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_02_01_j.html 募集人数:20名(先着順) 参加費:無料 概 要 VBP(values-based practice:…

ICE-StARに注目した価値に基づくこどもの発熱診療〜Episode 2〜

前回〜Episode1〜より続く。 星先生:「先生、ICE-StAR勉強してきました!」 郡先生:「お、いいね〜。あの事例のICE-StARを挙げていこうか。まずはICEを書き出してみて」 Ideas(考え) :高熱はこどもの頭に良くないのでは。 Concerns(心配) :高熱でこ…

ICE-StARに注目した価値に基づくこどもの発熱診療 〜Episode 1〜 

今回はVBPを実診療でどう使うのか、教育という側面から事例をもとに2本立てでご紹介したい。 K市立病院の救急外来での話、2年目初期研修医の星先生と救急専攻医の加地先生が当直をしていた。準夜から続いた救急外来の混沌も落ち着いた午前3時、2人はようや…

知識

VBPの4つの臨床スキルの3つ目は「知識」である。特に情報検索を通じて問題解決を図ることを指す。 中年男性の糖尿病患者の価値について知識を得るために、Pubmedでdiabetesとvaluesの2語で試しに文献検索してみる。37000件の文献にヒットし、ここから、年齢…

推論

4つの臨床スキルの2つ目である推論(reasoning)の方法論として、VBPでは事例検討が推奨されている。 事例検討はJonsen, A.R.とToulmin,Sとが「生命倫理に関する米国大統領府委員会」での経験をもとに考案し(1988年)、その後、臨床の場で利用できるように…

価値への気づき

VBPの4つの臨床スキルのうち、1つめは価値への気づき(awareness of values)である。これは、読んで字のごとく、「その人」の価値に気づくこと、そのものであるが、実は奥深い。「その人」は、もちろん患者であっても良いし、その家族でも良い、医療チーム…

価値とは何か

VBPとは何かを語る際に,「そもそも価値とは何か」について定義しておく必要がある.まず,日常的に出会うが,対応に困るような事例の提示から始めたい. 事例 35歳男性.2日前から37℃程度の微熱,鼻汁,咽頭痛,わずかな咳がみられ,処方希望で内科中心に総…

VBPプロセスの10要素

今回は、VBPの実践手法を「VBPプロセスの10要素」として紹介したい。 VBPの手順は図のように概観することができ、「前提」、「プロセス」、「到達点」という3つの相に分けられる。VBPの前提とは、異なる立場の当事者が、それぞれの価値に対して敬意を持って…

VBPはこれまでの医療とどう異なるか

VBPを導入すると何が変化するか.読者の皆さんが,VBPと出逢ったときに,これをさらに深く学びたいと思えるかどうかは,おそらくこの問いに対する答えによって決められるのではないかと思われる.現状で,VBPの要点は以下の4つではないかと考えている. EBM…

VBPとは

医療の改善,特に個々の患者医師関係において行われる臨床上の意思決定を改善するために,様々な枠組みが提唱されてきた.生命倫理や臨床倫理、EBM(evidence-based medicine)、NBM(narrative-based medicine)、コミュニケーション技法、プロフェッショナ…

『価値に基づく診療 VBP実践のための10のプロセス』が出版されました

『価値に基づく診療 VBP実践のための10のプロセス』が出版されました。 本ブログでは、この書籍を軸にVBPについて解説していくことにします。 価値に基づく診療 VBP実践のための10のプロセス 作者: 大西弘高,尾藤誠司 出版社/メーカー: メディカルサイエンス…

価値に基づいた診療(VBP)を共に学ぶブログを始めました。

近年注目される、価値に基づいた診療(Values Based Practice: VBP)を共に学び、そして、臨床推論という枠組みから「価値に基づいた診療をどう教えていくのか」を皆様と一緒に考えていくことを目的として本ブログを開設致しました。 どうぞ宜しくお願い致し…