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VBP的臨床推論

価値に基づいた診療(Values Based Practice: VBP)を学ぶ

VBPはEBMのパートナー Part 3〜科学主導の原則〜

VBPプロセスの10要素 サイエンスとVBP

 今回はVBPの10のプロセスのうち9つ目、科学主導の原則を概説する。

これは端的に言うと、「高度先進医療領域での意思決定においては、エビデンスと価値の双方を考えよ」というメッセージである。

 科学技術の進歩により医療界は多くの恩恵を受けてきた。その一方、人工授精による不妊治療、高齢者の経管栄養・胃瘻造設の問題、臓器移植、集中治療における終末期など、多くの倫理的課題に医療者は取り組んできた。今後は、iPS細胞や人工知能(Artificial intelligence)などにおいても同様の議論がなされると思われる。

 科学技術の進歩により、我々は多くの選択肢(オプション)を得ることができる。新しい技術によりもたらされる可能性と多様性に人々は魅了されるが、多くの場合、それぞれの選択肢には功罪が含まれ、様々な価値が絡み合う。

 そして、その功罪なり価値を鑑みてその選択肢を用いるか否かの意思決定をするのは結局のところ、その人(当人)である。意思決定の際には、当人たちのエビデンスと価値との双方のバランスを慎重にとりながら、議論するべき、というのが科学主導の原則の考え方である。これは、先人たちにより成されてきたものであり、特に目新しいものではないかもしれない。ただ、価値に注目して、ここまでご紹介したVBPのプロセスを丁寧に考察し、当人たちのパートナーシップを構築することで、バランスのとれた意思決定が達成されれば、従来、高度先進医療に関連する議論で陥りがちであった「医学 対 倫理」というような対立は避けられるかもしれない。

 

 さて、皆様、遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。今年も本ブログとFacebookを宜しくお願い申し上げます。わずかでも皆様の日常診療のお力になれれば幸いです。

 また、2月12日(日)のVBPシンポジウムの参加者も絶賛募集中ですので、こちらよりお申し込みください!!

 

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