2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧
4つの臨床スキルの2つ目である推論(reasoning)の方法論として、VBPでは事例検討が推奨されている。 事例検討はJonsen, A.R.とToulmin,Sとが「生命倫理に関する米国大統領府委員会」での経験をもとに考案し(1988年)、その後、臨床の場で利用できるように…
VBPの4つの臨床スキルのうち、1つめは価値への気づき(awareness of values)である。これは、読んで字のごとく、「その人」の価値に気づくこと、そのものであるが、実は奥深い。「その人」は、もちろん患者であっても良いし、その家族でも良い、医療チーム…
VBPとは何かを語る際に,「そもそも価値とは何か」について定義しておく必要がある.まず,日常的に出会うが,対応に困るような事例の提示から始めたい. 事例 35歳男性.2日前から37℃程度の微熱,鼻汁,咽頭痛,わずかな咳がみられ,処方希望で内科中心に総…
今回は、VBPの実践手法を「VBPプロセスの10要素」として紹介したい。 VBPの手順は図のように概観することができ、「前提」、「プロセス」、「到達点」という3つの相に分けられる。VBPの前提とは、異なる立場の当事者が、それぞれの価値に対して敬意を持って…
VBPを導入すると何が変化するか.読者の皆さんが,VBPと出逢ったときに,これをさらに深く学びたいと思えるかどうかは,おそらくこの問いに対する答えによって決められるのではないかと思われる.現状で,VBPの要点は以下の4つではないかと考えている. EBM…
医療の改善,特に個々の患者医師関係において行われる臨床上の意思決定を改善するために,様々な枠組みが提唱されてきた.生命倫理や臨床倫理、EBM(evidence-based medicine)、NBM(narrative-based medicine)、コミュニケーション技法、プロフェッショナ…
『価値に基づく診療 VBP実践のための10のプロセス』が出版されました。 本ブログでは、この書籍を軸にVBPについて解説していくことにします。 価値に基づく診療 VBP実践のための10のプロセス 作者: 大西弘高,尾藤誠司 出版社/メーカー: メディカルサイエンス…