VBP的臨床推論

価値に基づいた診療(Values Based Practice: VBP)を学ぶ

VBPはどう用いればよいか

2年ぶりぐらいに,少しこのブログも動かしてみようと思います.VBPはどのように用いればよいか,どの程度役に立つかについて,なかなか現実的な説明が難しいなと思っていたのですが,ようやく整理がついてきた気がしたので.

自分がVBPを学び,臨床実践に向かう際に意識するようになったのは,

①改めてevidence-based practiceとは何か,EBMと同じなのか違うのか

②事例の複雑性や困難事例,多疾患併存状態(multimorbidity)とどう関連するか

③ネガティブな価値とポジティブな価値をどう捉えるのか

④VBPを踏まえた臨床推論は,それまでの臨床推論の議論とどう違うか

⑤死にまつわる意思決定はどのような要点があり,どう進めるとよいか

といった点です.また,VBPワークショップもこれまで展開してきましたが,いずれも模擬多職種事例カンファレンスという方略を用いてきたので,今後異なる方略の開発も必要だなと感じています.

これらの枠組みは,現在積極的に取り組んでいる看護師の特定行為研修,医療・福祉・介護・保健関連職種の共通基礎課程にも積極的に取り込むようにしています.上記の①~⑤については,後に詳述していきたいと思います.

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治療やマネジメント,そのモニタリングを含めた医療専門職の臨床推論の概念図